仲見世デート。食べ歩き。
君はチョコのアイスクリーム。
俺はレモン味のシャーベット。
「1口ちょうだい」ってかぶりついた君が「甘酸っぱい」って笑った夏。その一言は今の俺たちの青春を表してるみたいで思わず微笑んだ。
家デート。
一緒に料理をしようって言ってたけど、どっちも料理できないから創作料理になった。ジャガイモの皮むきは俺の仕事。味付けは君に任せるよ。不格好だけど楽しかった。料理の写真はほとんど撮らなかったけど君の笑顔は僕の脳裏に焼き付いてる。
映画。
1番大きいサイズのポップコーンを買って2人で食べた。俺が食べすぎちゃって「もうないの!?」って耳元で囁く君は暗闇の中でも確かにそこにいた。映画の内容なんてどうでもいい。時間と感想を共有できればつまらなくてもいいんだって言った君の言葉がとても嬉しかった。いつも肌寒い映画館が、今日は少し暖かかった。
今日はクリスマス。君と過ごすことはできなかったから、冬空に思うことはないけれど。夏が来ればまた君がいないことが辛いから、いっそこのまま冬空を見上げていたい。記憶の中の君の笑顔に、僕はまだ温度を感じているんだ。
さよならも言えず、思い出だけ積もらせていなくなった。その思い出も冬が終われば雪のように溶けて消えてしまうんだろう。もっと好きって言えばよかった。もっと時間を作っていればよかった。
そんな後悔も煙草の煙と一緒に冬夜に消えていく。やっぱり冬は嫌いだ。
君との思い出がないから。
君が俺に微笑んだのは夏だから。
以上。妄想。